「レノボはやめとけ」は本当か?ゲーミングPCが他社より安い「2つの理由」と失敗しない選び方

「同じCore i7とRTX 4060を積んでいるのに、なぜレノボだけが他社より3万円も安いの?」「もしかして、見えないところで手抜きをしているのでは?」

あなたも今、魅力的なセール価格を見てカートに商品を入れたものの、直前でネットの「レノボはやめとけ」「すぐ壊れる」という不穏な評判を目にして、購入ボタンを押す手が止まっているのではありませんか?

その直感は、ある意味で正しい防衛本能です。20万円近い買い物で「安物買いの銭失い」になることだけは絶対に避けなければなりません。

しかし、PC業界を長く見ている私からすれば、その不安の正体は「情報の古さ」と「仕組みへの誤解」にあります。
この記事では、なぜレノボがここまで圧倒的な安さを実現できるのか、その「企業努力のカラクリ」と、決して買ってはいけない「地雷モデル」の回避法を包み隠さず解説します。


なぜレノボだけが圧倒的に安いのか?「手抜き」ではない驚きのカラクリ

まず結論から言います。レノボのゲーミングPCが安いのは、品質を犠牲にして部品をケチっているからではありません。「世界シェアNo.1」という立場を利用した、他社には真似できない「バイイングパワー(調達力)」の勝利です。

PCの価格を決める最大の要素は、CPU(IntelやAMD)やGPU(NVIDIA)、メモリといった主要パーツの仕入れ値です。
ここで、世界市場シェアNo.1であるレノボと、一般的なPCメーカーの決定的な違いが生まれます。

IDCの調査データを見ても、レノボは世界PC出荷台数で20%以上のシェアを持ち、トップを走り続けています。
パーツメーカーであるIntelやNVIDIAからすれば、レノボは世界で一番の「太客」です。当然、他社よりも圧倒的に安い卸値でパーツを供給します。

つまり、世界シェアNo.1という「規模」と「価格の安さ」には、明確な因果関係があるのです。
これに加えて、日本国内ではNECの物流網を活用するなどのコストダウンも徹底しています。これが、怪しい裏ワザではない、安さの正当な理由です。

「サポートが最悪」は過去の話?意外と知られていない「群馬事業場」の真実

「安さの理由はわかった。でも、海外メーカーだからサポートが最悪なんでしょ? 壊れたら中国まで送られて数ヶ月帰ってこないって聞いたよ。」

もしあなたがそう思っているなら、それは少し古い認識かもしれません。
実は、レノボのPC修理の多くは、群馬県太田市にある「NECパーソナルコンピュータ群馬事業場」で行われています。

これは、レノボがNECのPC事業を統合し、「NECレノボ・ジャパングループ」としてアセット(資産)を共有しているという事実に基づいています。
かつては海外サポート特有のたらい回しや遅延が問題視されたこともありましたが、現在は国内メーカーであるNECと同じ拠点で、日本の熟練スタッフが修理対応を行っています。

もちろん、電話サポートが混み合って繋がりにくいといった課題は残っていますが、「海外メーカーだから修理体制が適当」という認識は、群馬事業場の存在によって否定されます。あなたは、実質的に国内メーカーに近い品質のハードウェアサポートを受けることができるのです。

【辛口比較】「Legion」と「LOQ」どっちを買うべき?

さて、ここからが本題です。レノボのゲーミングPCには、現在「Legion(レギオン)」「LOQ(ロック)」という2つのブランドが存在します。

もしあなたが「予算20万円以内で、3年以上快適にゲームをしたい」と考えているなら、迷わず「Legion」を選んでください。
逆に、「とにかく1円でも安く、数年で買い替えてもいい」という割り切りがない限り、廉価版である「LOQ」に飛びつくのはおすすめしません。

この2つは、CPUやGPUのスペックこそ似ていますが、「Legion」は高品質な上位モデル、「LOQ」は徹底的にコストカットされた下位モデルという明確な比較・上下関係にあります。

3年使うならどっち?「Legion」vs「LOQ」徹底比較

比較項目 Legion(上位モデル) LOQ(エントリーモデル)
筐体素材 金属(アルミ等)多用
→ 放熱性・剛性が高い
樹脂(プラスチック)主体
→ 熱がこもりやすい・質感が軽い
冷却システム コールドフロント冷却
(ベイパーチャンバー等)
標準的なファン冷却
(高負荷時にうるさい可能性)
液晶パネル sRGB 100%クラス
色鮮やか・明るい
一般的な色域
少し白っぽく見えることも
電源ユニット 余裕あり 必要最低限
(将来の拡張性は低い)
おすすめな人 3〜4年メイン機として使いたい人 予算最優先のサブ機・入門用
悪いことは言いません。迷ったら数万円高くても「Legion」を買ってください。なぜなら、PCの寿命を決めるのはCPUの性能ではなく「排熱(冷却)」だからです。私は過去に、スペック数値だけを見て安い樹脂筐体のモデル(LOQの前身)を買い、夏場の熱暴走とファンの爆音に悩まされて1年で手放した経験があります。金属筐体でしっかり冷やせるLegionは、結果的に「安物買いの銭失い」を防ぐ最良の投資になります。

買ってはいけない人の特徴(レノボのデメリット)

ここまでレノボの「強者の安さ」を解説してきましたが、全ての人におすすめできるわけではありません。以下の条件に当てはまる人は、レノボを買うとストレスを感じる可能性が高いです。

  1. 「明日パソコンが欲しい」人
    • レノボは基本的に海外工場(中国)からの出荷となります。「短納期モデル」以外を選ぶと、注文から到着まで2週間〜1ヶ月近くかかることがあります。今すぐゲームがしたい!という人は、国内BTOメーカーの即納モデルを選ぶべきです。
  2. フルカスタマイズしたい人
    • BTO(受注生産)といっても、レノボのカスタマイズ性は低いです。メモリやSSDの容量は選べますが、「電源ユニットのメーカーを指定したい」「マザーボードを変えたい」といった自作PCに近いこだわりには対応していません。

よくある質問(納期、初期不良など)

Q: 「初期不良が多い」って本当ですか?
A: 他社と比較して突出して多いという事実はありません。
工業製品である以上、ゼロではありませんが、LegionシリーズはビジネスPC「ThinkPad」で培われた厳しい耐久テスト基準を流用しており、品質管理はむしろ厳しい部類に入ります。「販売台数が桁違いに多い=不良品の絶対数も目立つ」という側面が大きいです。

Q: セールはいつが狙い目ですか?
A: 四半期決算の時期が最強です。
具体的には3月、6月、9月、12月です。この時期の「楽天スーパーSALE」や公式サイトの「決算セール」では、信じられない価格設定が出ることがあるので要チェックです。

まとめ:レノボは「賢い選択」か、それとも…

レノボの安さは、怪しい裏ワザではなく、「世界No.1の規模」と「国内のアセット」をフル活用した合理的な結果です。

  • 安さの理由は、圧倒的なバイイングパワーによる原価低減。
  • サポートは、NECレノボグループの群馬事業場が支えている。
  • 長く使うなら、コストカット版のLOQではなくLegionを選ぶ。

この3点を理解した上で購入するなら、レノボのゲーミングPCは「安かろう悪かろう」ではなく、「賢い消費者が選ぶ、世界最高レベルのコスパマシン」になります。
浮いた数万円の予算で、高リフレッシュレートのモニターや、良いゲーミングマウスを揃えてみてください。あなたのゲーミングライフは、間違いなく最高のスタートを切れるはずです。


[参考文献リスト]

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