ED治療薬を調べると、バイアグラ、レビトラ、シアリス、ジェネリック、市販薬と名前がたくさん出てきて、結局どれが自分に合うのかわからない。「種類によって何が違うのか」と迷っていませんか。
結論から言うと、国内でED治療薬として承認されている主な有効成分は、シルデナフィル(バイアグラ)、バルデナフィル(レビトラ)、タダラフィル(シアリス)の3つで、違いは主に用量・食事の影響・飲み合わせ・効果が続く時間にあります。ただし、薬局で処方せんなしに買えるのは市販のシアリス10mgだけで、それ以外は医師の処方が必要です。この記事を読めば、各薬の特徴と違い、自分に合った入手方法の考え方がはっきりします。
この記事でわかること
- 国内で使えるED治療薬の種類
- バイアグラ・レビトラ・シアリスの違い
- ザルティアなど名前が似た薬との区別
- 国内未承認の成分と個人輸入のリスク
- 市販薬と処方薬の違い
- 種類の選び方の考え方
国内で承認されているED治療薬の主な成分は3種類
国内でED治療薬として使われている主な有効成分は、シルデナフィル、バルデナフィル、タダラフィルの3つです。
いずれも「PDE5阻害薬」と呼ばれるグループの薬で、性的刺激があったときに陰茎への血流を増やし、勃起を助ける働きがあります。エスエス製薬の市販シアリスの公式FAQでも説明されているとおり、ED治療薬はEDそのものを治す薬ではなく、勃起をサポートする薬です。性欲を高める薬でもなく、飲んだだけで勃起が起こるわけでもありません。
PMDA(医薬品医療機器総合機構)の添付文書情報で確認できる、主なED治療薬は次のとおりです(2026年10月時点)。
| 成分名 | 先発品の名前 | 製造販売元(先発品) | 国内の規格 | 入手方法 |
|---|---|---|---|---|
| シルデナフィル | バイアグラ | ヴィアトリス製薬 | 錠25mg・50mg、ODフィルム25mg・50mg | 医師の処方 |
| バルデナフィル | レビトラ | バイエル薬品 | ジェネリックで5mg・10mg・20mg(製品により異なる) | 医師の処方 |
| タダラフィル | シアリス | 日本新薬 | 錠5mg・10mg・20mg | 医師の処方。10mgのみ市販薬あり |
それぞれにジェネリック(後発医薬品)もあり、成分が同じなら基本的な働きや注意点は先発品と共通です。ED治療は保険が使えない自由診療で、クリニックによって扱う薬や料金が異なります。
バイアグラ・レビトラ・シアリスの違いを比較
3つの薬の違いは、1回の用量、食事の影響、飲み合わせの制限の多さ、効果が続く時間にあります。
各薬の添付文書(PMDA掲載)と、市販シアリスの公式FAQをもとに整理すると次のようになります。
| 項目 | シルデナフィル(バイアグラ) | バルデナフィル(レビトラ) | タダラフィル(シアリス) |
|---|---|---|---|
| 飲むタイミング | 性行為の約1時間前 | 性行為の約1時間前 | 性行為の約1時間前 |
| 通常の用量 | 25〜50mg(最大50mg) | 10mg(条件により20mgまで) | 10mg(条件により20mgまで) |
| 服用間隔 | 1日1回、24時間以上 | 1日1回、24時間以上 | 1日1回、24時間以上 |
| 食事の影響 | 食事と同時に飲むと効き始めが遅れることがある | 標準的な食事の直後でも影響は認められなかった(海外データ) | 食事の影響を受けにくい(市販品公式FAQ) |
| 効果が続く時間の目安 | 添付文書に明記なし | 添付文書に明記なし | 最大36時間(市販品公式FAQ) |
| 国内臨床試験などで多い副作用 | ほてり・潮紅 5.78%、頭痛 3.87% | 頭痛 11.7%、ほてり 10.6%(ジェネリックの添付文書) | 頭痛 11.3%、潮紅 5.1%、ほてり 3.5%、消化不良 2.3% |
| 市販薬 | なし | なし | 市販シアリス(10mg) |
副作用の頻度は、それぞれ別の臨床試験の数値で条件が異なるため、数字を並べて「どれが副作用が少ない」と単純に比べることはできません。効き目の感じ方や合う・合わないにも個人差があります。どの薬がよいかは「強さ」で決まるものではなく、生活スタイルや持病、飲んでいる薬によって変わると考えてください。
シルデナフィル(バイアグラ)は国内で最初に発売されたED治療薬
バイアグラは、1999年3月に国内で販売が始まった、日本でいちばん歴史のあるED治療薬です。
添付文書では、通常は1日1回25〜50mgを性行為の約1時間前に飲み、最大用量は50mgとされています。65歳以上の人、肝臓に障害がある人、重い腎障害がある人は25mgから始めます。また、食事と同時に飲むと効き始めが遅れることがあるとされています。
錠剤のほかに、水なしで口の中で溶かして飲めるODフィルムもあります。飲み合わせでは、硝酸剤やリオシグアトに加えて、不整脈の薬であるアミオダロン(飲み薬)も併用禁忌とされています。

バルデナフィル(レビトラ)は現在ジェネリックが中心
レビトラの成分であるバルデナフィルは、現在、国内ではジェネリックの添付文書がPMDAに掲載されています。
2026年10月にPMDAの添付文書情報を検索したところ、先発品のレビトラ錠(バイエル薬品)は審査報告書が掲載されているものの、添付文書は掲載されていませんでした。一方、バルデナフィル錠は複数の製薬会社のジェネリック(国内承認品)の添付文書が掲載されています。バルデナフィルを希望する場合は、処方される薬の名前を確認するとよいでしょう。
ジェネリックの添付文書では、通常は10mgを性行為の約1時間前に飲み、条件によって20mgまで増やせます。65歳以上の人は5mgから始め、最高用量は10mgです。注意したいのは飲み合わせで、硝酸剤やリオシグアトのほか、一部のHIV治療薬や抗真菌薬、新型コロナウイルス感染症の飲み薬の一部、特定の不整脈の薬なども併用禁忌に含まれます。3成分のなかでは併用禁忌の薬が多いため、持病で薬を飲んでいる人は必ず医師に伝えてください。
タダラフィル(シアリス)は効果が長く、市販薬もある
シアリスの成分タダラフィルは、効果が最大36時間続くとされ、3成分のなかで唯一、市販薬がある成分です。
処方薬のシアリス錠は2007年9月に販売が始まり、5mg・10mg・20mgの規格があります。添付文書では、通常は10mgを性行為の約1時間前に飲み、効果が不十分で体が薬に耐えられる場合は20mgに増やせます。腎臓や肝臓に障害がある人などは、5mgから始めたり上限が10mgになったりします。
2026年5月に厚生労働省が承認した市販シアリスは、処方薬のシアリス10mgと同じ成分・同じ量です(エスエス製薬公式FAQ)。1箱4錠で希望小売価格は税込5,808円(1錠あたり約1,452円、2026年10月時点・エスエス製薬公式サイトより)です。薬剤師のいる店舗のほか、Amazon.co.jpでも薬剤師のオンライン面談を経て購入できます。最新の価格や販売店は公式サイトで確認してください。

ザルティアやアバナフィルなど、ED治療薬と混同しやすい薬
名前が似ていたり同じ成分を含んでいたりしても、ED治療薬として国内で使えるわけではない薬があります。
ザルティアは前立腺肥大症の薬
ザルティア錠(日本新薬)は、シアリスと同じタダラフィルを1日1回5mg飲む薬ですが、添付文書上の効能は「前立腺肥大症に伴う排尿障害」だけで、勃起不全の適応はありません。添付文書には、前立腺肥大症に伴う排尿障害以外の目的で処方された場合は保険給付の対象としない旨も記載されています。成分が同じでも、ED治療薬とは別の薬として扱われています。

アバナフィル(ステンドラ系)は国内で添付文書が見当たらない
海外のED治療薬として「ステンドラ」などの名前で紹介されることがあるアバナフィルは、2026年10月にPMDAの添付文書情報を検索したところ、該当する添付文書はありませんでした。国内で承認された製品として確認できないため、日本で正規に処方されるED治療薬の選択肢には入りません。
個人輸入・海外通販の薬には注意
国内未承認の薬や海外の製品を個人輸入で手に入れることはおすすめできません。厚生労働省は、個人輸入される医薬品には品質や安全性が確認されていないものや偽造品が含まれるおそれがあり、健康被害が起きても医薬品副作用被害救済制度の対象外になると注意を呼びかけています。なお、オンライン診療で処方される海外製ジェネリックも国内未承認薬で、同じく救済制度の対象外です。国内製のジェネリック(国内承認品)を選べるクリニックもあります。
市販で買えるED治療薬はシアリス10mgだけ
2026年10月時点で、処方せんなしで買えるED治療薬は市販シアリス(タダラフィル10mg)だけです。
| 項目 | 市販シアリス | 医療機関・オンライン診療の処方薬 |
|---|---|---|
| 選べる成分 | タダラフィルのみ | シルデナフィル・バルデナフィル・タダラフィル |
| 選べる用量 | 10mgのみ | 5mg・20mgなども医師の判断で選べる |
| ジェネリック | なし | あり(国内製・海外製) |
| 買い方 | チェックシートに回答し、薬剤師の確認を受けて購入 | 医師の診察を受けて処方 |
| 対象 | 18歳以上の成人男性本人のみ | 医師が処方できると判断した人 |
バイアグラやレビトラの成分、タダラフィルの5mg・20mg、ジェネリックは市販されていないため、医療機関やオンライン診療での処方が必要です。なお、バイアグラの市販化については、2026年10月時点で公表された予定はありません。ドラッグストアに並ぶ「精力剤」やサプリメントは、ED治療薬ではありません。

ED治療薬の種類は「生活に合うか」と「体の状態」で選ぶ
どの種類が合うかは、薬の強さではなく、飲むタイミングや食事、持病・飲んでいる薬で考えるのが基本です。
- 食事の時間を気にせず飲みたい、効果が長く続くほうがいい人は、タダラフィル(シアリス)が候補になります
- まずは処方せんなしで試したい人は、市販シアリス10mgという選択肢があります
- 別の成分や用量を試したい、費用を抑えたい人は、医療機関やオンライン診療で医師に相談します
- 持病がある、薬を飲んでいる、65歳以上の人は、自己判断せず医師や薬剤師に相談します
どの薬も、ニトログリセリンなどの硝酸剤とは一緒に使えません。心臓病がある人は必ず医師に相談し、勃起が4時間以上続く、急に視力が落ちたといった場合はすぐに受診してください。医師の診察の結果、処方できない場合もあります。

よくある質問(FAQ)
いちばん効くED治療薬はどれですか?
どれがいちばん効くかは一概にいえません。国内の3成分はいずれも勃起を助けるPDE5阻害薬で、効き方の感じ方や副作用の出方には個人差があります。用量や食事の影響、効果が続く時間、飲み合わせの制限が異なるため、生活スタイルや持病、飲んでいる薬をふまえて医師や薬剤師に相談しながら選ぶのが安全です。
レビトラはもう手に入らないのですか?
2026年10月時点で、PMDAの添付文書情報には先発品レビトラ錠の添付文書は掲載されていませんが、同じ成分のバルデナフィル錠のジェネリック(国内承認品)は掲載されています。バルデナフィルを希望する場合は、医療機関で扱いがあるか確認してください。個人輸入品は偽造品のおそれがあるため避けましょう。
ED治療薬は2種類を同じ日に飲んでもいいですか?
自己判断で複数のED治療薬を併用するのはやめてください。いずれの添付文書でも1日1回、服用間隔は24時間以上とされています。市販シアリスの公式FAQでも、他のED治療を受けている人は服用前に医師または薬剤師に相談するよう案内されています。薬を変えたいときは、医師に相談して切り替えましょう。
ED治療薬を飲み続ければEDは治りますか?
ED治療薬はEDを治す薬ではなく、性的刺激があったときに勃起を助ける薬です(エスエス製薬公式FAQ)。EDの背景に血管や神経の病気、生活習慣病などが隠れていることもあるため、薬を使いながら気になる症状があれば医療機関で相談してください。
まとめ:ED治療薬は3成分。市販はシアリス10mgのみ
国内でED治療薬として承認されている主な成分は、シルデナフィル(バイアグラ)、バルデナフィル(レビトラ)、タダラフィル(シアリス)の3成分で、用量・食事の影響・飲み合わせ・効果の長さが違います。
- どの薬もEDを治す薬ではなく、勃起を助ける薬
- バイアグラは最大50mg、食事と同時だと効き始めが遅れることがある
- バルデナフィルは現在ジェネリックが中心で、併用禁忌の薬が多い
- シアリスは効果が最大36時間、10mgのみ市販薬がある
- ザルティアは前立腺肥大症の薬で、ED治療薬ではない
- アバナフィルなど国内で確認できない薬や個人輸入品は避ける
まずは手軽に試したい人は市販シアリス10mg、成分や用量を選びたい人や費用も比べたい人は、医療機関やオンライン診療で医師に相談するのがひとつの目安です。どちらを選ぶ場合も、持病や飲んでいる薬は必ず伝え、医師の判断で処方できない場合もあることを知っておきましょう。