ED治療薬を使ってみたいけれど、「頭が痛くなる」「心臓に悪い」といった話を聞いて、自分が飲んでも大丈夫なのか不安になる。どんな副作用があり、どんな人が飲めないのか迷っていませんか。
結論から言うと、ED治療薬で多い副作用は頭痛やほてり、顔の赤みなどです。ただし、ニトログリセリンなどの硝酸剤を使っている人や、重い心臓病・脳卒中の既往がある人などは飲めず、4時間以上続く勃起や急な視力低下はすぐに受診が必要です。この記事を読めば、ED治療薬全般の副作用と頻度、一緒に使えない薬、飲めない人がはっきりします。
この記事でわかること
- ED治療薬で多い副作用と頻度
- すぐに受診すべき副作用
- 一緒に使えない薬(併用禁忌)
- ED治療薬を飲めない人
- 副作用を避けるための飲み方
- 個人輸入品のリスク
ED治療薬の副作用は頭痛・ほてり・顔の赤みが中心
ED治療薬で多く報告されている副作用は、頭痛、ほてり、顔の赤み(潮紅)、消化不良、鼻づまりなどです。
国内のED治療薬は、シルデナフィル(バイアグラ)、バルデナフィル(レビトラ)、タダラフィル(シアリス)の3成分が中心で、いずれもPDE5阻害薬と呼ばれるグループに属します。性的刺激があったときに陰茎の血流を増やして勃起を助ける薬で、バイアグラの添付文書では、ほてりや潮紅が「血管拡張」に分類されています。各薬の添付文書に記載された主な副作用の頻度は次のとおりです。
| 成分(主な製品) | 主な副作用と頻度 | 出典 |
|---|---|---|
| シルデナフィル(バイアグラ) | ほてり・潮紅 5.78%、頭痛 3.87% | バイアグラ添付文書 |
| バルデナフィル(ジェネリック) | 頭痛 11.7%、ほてり 10.6% | バルデナフィル錠「サワイ」添付文書 |
| タダラフィル(シアリス) | 頭痛 11.3%、潮紅 5.1%、ほてり 3.5%、消化不良 2.3% | シアリス錠添付文書(国内臨床試験) |
数値はそれぞれ異なる試験の結果なので、薬どうしで副作用の多さを単純に比べることはできません。シアリスの添付文書では、ほかにめまい、鼻づまり、背中の痛みや筋肉痛、動悸、吐き気なども、頻度の低い副作用として挙げられています。気になる症状が続くときや、日常生活に支障があるときは、医師や薬剤師に相談してください。

4時間以上の勃起・急な視力低下・胸の痛みはすぐ受診する
頻度は低いものの、すぐに医療機関を受診すべき副作用があります。
各薬の添付文書では、次のような症状について注意が書かれています。
| 症状 | 添付文書での扱い | どうするか |
|---|---|---|
| 勃起が4時間以上続く、痛みを伴う勃起が6時間以上続く | 放置すると陰茎の組織が傷つき、勃起機能が永続的に損なわれるおそれがある(バイアグラ添付文書) | 直ちに医師の診察を受ける |
| 急に視力が落ちる、見えなくなる | 服用を中止し、速やかに眼科専門医の診察を受ける | すぐに眼科を受診する |
| 胸の痛み、動悸、息苦しさ | 死亡例を含む心筋梗塞などの重い心血管系の有害事象が報告されている | 救急受診も含めて、すぐに医療機関へ |
| 発疹、じんましん、顔のむくみ | 過敏症(スティーブンス・ジョンソン症候群などを含む)が重大な副作用として記載(シアリス添付文書) | 服用をやめて受診する |
受診するときは、ED治療薬を飲んだこと、飲んだ時間と薬の名前を医師に必ず伝えてください。ED治療薬は硝酸剤と一緒に使えないため、飲んだ事実を伝えることは治療の安全のためにも大切です。恥ずかしさから伝えるのをためらう必要はありません。
また、めまいや視覚の異常が報告されているため、添付文書では自動車の運転や高所での作業、機械の操作に注意するよう書かれています。初めて飲むときは、運転の予定がない日に試すと安心です。
ED治療薬と一緒に使えない薬(併用禁忌)
ED治療薬は、硝酸剤(ニトログリセリンなど)やリオシグアトと一緒に使うことができません。
硝酸剤は狭心症などの治療に使われる薬で、ED治療薬と併用すると血圧が下がりすぎるおそれがあります。成分ごとの併用禁忌は次のとおりです。
| 成分 | 併用禁忌の主な薬 |
|---|---|
| 3成分共通 | 硝酸剤・NO供与剤(ニトログリセリン、亜硝酸アミル、硝酸イソソルビド、ニコランジルなど)、リオシグアト(肺高血圧症の薬) |
| シルデナフィル | 上記に加えて、アミオダロン(不整脈の薬・飲み薬) |
| バルデナフィル | 上記に加えて、一部のHIV治療薬(リトナビルなど)、抗真菌薬(ケトコナゾール〈外用剤を除く〉、イトラコナゾール)、新型コロナウイルス感染症の飲み薬の一部(ニルマトレルビル・リトナビル、エンシトレルビル)、特定の不整脈の薬(キニジン、アミオダロンなど) |
| タダラフィル(処方薬) | 3成分共通の薬 |
市販シアリスでは、硝酸剤とリオシグアトに加えて、ケトコナゾール、イトラコナゾール、クラリスロマイシンも「一緒に使わない薬」とされています(エスエス製薬公式FAQ)。
併用に注意が必要な薬もある
併用禁忌ではなくても、注意が必要な薬があります。シアリスとバイアグラの添付文書では、血圧を下げる薬(降圧剤)や、α遮断剤(ドキサゾシンなど)と一緒に使うと、血圧が下がりすぎることがあるとされています。抗生物質や抗真菌薬の一部、グレープフルーツジュースは、ED治療薬の血中濃度を上げることがあります。持病で薬を飲んでいる人は、薬の名前をすべて医師や薬剤師に伝え、お薬手帳を見せて確認してもらいましょう。
ED治療薬を飲めない人・医師に相談が必要な人
心臓や血管の病気が重い人、最近脳卒中や心筋梗塞を起こした人、重い肝臓の障害がある人などは、ED治療薬を飲めません。
性行為そのものが心臓に負担をかけるため、添付文書では治療を始める前に心臓や血管の状態を確認するよう求めています。各薬の添付文書で「投与しないこと」とされている主な人は次のとおりです。
- 薬の成分でアレルギー(過敏症)を起こしたことがある人
- 硝酸剤やリオシグアトを使っている人
- 心臓や血管の病気で、性行為が勧められない人
- 重い肝臓の障害がある人
- 血圧が低い人(90/50mmHg未満)、コントロールされていない高血圧の人(安静時170/100mmHg超)
- 最近6か月以内に脳梗塞・脳出血を起こした人
- 最近、心筋梗塞を起こした人(シルデナフィル・バルデナフィルは6か月以内、タダラフィルは3か月以内)
- 網膜色素変性症の人
このほか、成分によっては不安定狭心症の人、コントロールできていない不整脈の人、先天性QT延長症候群の人、血液透析が必要な腎障害の人も対象になります。
また、シルデナフィルとバルデナフィルの添付文書では、65歳以上の人は少ない量から始めることとされ、腎臓や肝臓に障害がある人も成分ごとに用量が制限されています。シアリスの添付文書では、高齢者で血中の薬の量(AUC)が若い人より約25%高かったとの報告もあります。市販シアリスの公式FAQでも、65歳以上の人、医師の治療を受けている人、心臓や血管の障害が疑われる人、持続勃起症や陰茎の変形がある人は相談が必要とされています。女性や18歳未満の人は服用できません。

副作用を避けるためのED治療薬の飲み方
副作用を避けるには、決められた量と服用間隔を守り、飲み合わせと飲酒に気をつけることが基本です。
- 医師に処方された量、または添付文書・説明書の量を守る。効かないからといって自己判断で増やさない
- どの薬も1日1回まで。服用間隔は24時間以上あける
- 別のED治療薬と同じ日に飲まない
- 飲酒は節度ある量にとどめる。市販シアリスの公式FAQでは、過度の飲酒後の服用は控えるよう案内されている
- 錠剤を割ったりかんだりせず、水かぬるま湯で飲む(市販シアリスの場合)
- 初めて飲むときは、運転や危険な作業の予定がない日にする
頭痛やほてりなどの軽い副作用が毎回つらい場合は、医師に相談すると、用量や成分を変える提案を受けられることがあります。市販シアリスの公式FAQでは、4〜8回を目安に飲んでも十分な効果がない場合は医師や薬剤師に相談するよう案内されています。

個人輸入のED治療薬は副作用のリスクが高い
海外通販や個人輸入で手に入れたED治療薬は、成分や品質が確認できず、副作用が起きたときの公的な救済も受けられません。
厚生労働省は、個人輸入される医薬品には品質や安全性が確認されていないもの、正規品を装った偽造品、有害な物質が含まれるものがあるおそれがあると注意を呼びかけています。表示された成分と違う成分や、想定より多い量が含まれていれば、副作用のリスクも予測できません。
国内で正規に流通している医薬品を適正に使って重い健康被害が起きた場合は、PMDAの医薬品副作用被害救済制度で医療費などの給付を受けられる場合があります。しかし、厚生労働省によると、個人輸入した医薬品による被害はこの制度の対象外です。オンライン診療で処方される海外製ジェネリックも国内未承認薬のため、救済制度の対象外となります。国内製のジェネリック(国内承認品)を選べるクリニックもあるので、処方を受けるときに確認しましょう。

よくある質問(FAQ)
ED治療薬の副作用はどのくらい続きますか?
添付文書には、頭痛やほてりがどのくらい続くかの具体的な時間は書かれていません。症状が長引く、日常生活に支障がある、毎回強く出るといった場合は、医師や薬剤師に相談してください。勃起が4時間以上続く場合や急な視力低下は、時間を待たずにすぐ受診が必要です。
頭痛が出たら市販の頭痛薬を飲んでもいいですか?
ED治療薬と市販薬の飲み合わせは、薬によって異なるため自己判断は避け、薬剤師に相談してから使ってください。市販シアリスの公式FAQでも、風邪薬との併用は医師や薬剤師に相談するよう案内されています。頭痛が毎回強く出る場合は、用量や薬の種類を医師に相談するのも一つの方法です。
高血圧の薬を飲んでいてもED治療薬は使えますか?
降圧剤はED治療薬の併用禁忌ではありませんが、添付文書では降圧作用が強まるおそれがある「併用注意」とされています。また、コントロールされていない高血圧(安静時170/100mmHg超)の人は服用できません。高血圧の治療中の人は、必ず医師に飲んでいる薬を伝え、使えるかどうか判断してもらってください。
ED治療薬に依存性はありますか?
市販シアリスの公式FAQでは、中枢神経に作用しないため、習慣性や依存性はないと考えられていると説明されています。ただし、ED治療薬はEDを治す薬ではなく、勃起を助ける薬です。連日の服用は推奨されておらず、続けて使いたい場合は医師に相談するよう案内されています。
まとめ:副作用と飲めない条件を知ったうえで、医師・薬剤師に相談を
ED治療薬の副作用は頭痛やほてりなどが中心ですが、飲めない人や一緒に使えない薬があり、すぐ受診が必要な症状もあります。
- 多い副作用は頭痛、ほてり、顔の赤み、消化不良、鼻づまりなど
- 4時間以上の勃起、急な視力低下、胸の痛みはすぐ受診する
- 硝酸剤(ニトログリセリンなど)やリオシグアトとは一緒に使えない
- 重い心臓病、最近の脳卒中・心筋梗塞、重い肝障害、低血圧などがある人は飲めない
- 降圧剤やα遮断剤などは併用注意。飲んでいる薬はすべて伝える
- 個人輸入品は成分が確認できず、救済制度の対象外
持病や飲んでいる薬がなく、まずは試してみたい人は、薬剤師の確認を受けて買える市販シアリスという選択肢があります。持病がある人や、用量・成分を選びたい人は、医療機関やオンライン診療で医師に相談しましょう。医師の診察の結果、処方できない場合もあります。